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結膜下出血を繰り返す原因

【医師監修】結膜下出血を繰り返す原因|症状やよくある原因についても解説

「目が繰り返し赤くなるけど充血とは違う」その症状は結膜下出血と呼ばれる目の病気病気です。急に目が真っ赤になるので不安になる方もいるでしょう。この記事では、結膜下出血の症状や原因、結膜下出血が繰り返し起こりやすい理由について解説していきます。症状に悩まされたことのある方はぜひご覧ください。

「目が急に真っ赤になったけど、充血とはちょっと違う」
「目が真っ赤なのに、痛みも見づらさもない」
「目が赤くなる症状が定期的に起こるのはなんでだろう」
白目に赤い斑点ができたり、全体が塗られるように赤くなる場合は、充血ではなく結膜下出血という病気の可能性があります。
本記事では、結膜下出血の症状や原因、結膜下出血が繰り返し起こりやすい理由について解説しています。
目の健康は生活の質に大きく影響するため、結膜下出血に関する正しい知識を身につけることで、早期の対処や予防に役立てましょう。

目次

    結膜下出血とは

    結膜下出血とは、白目の表面を覆う粘膜である「結膜」の下を通っている血管が破れて、白目部分が血液で赤く染まる症状のことです。

    程度はさまざまで、小さな点状や斑状など一部がうっすら赤くなるだけのものから、眼球結膜全体を覆うような広範囲なものまでさまざまです。血腫を作ることもあります。

    結膜下出血の症状

    結膜下出血は、一般的には次のような症状があります。

    ・突然目が赤くなる

    ・血管に沿って赤い斑点が見られる

    ・目がゴロゴロする

    ・痛みや視力の低下はない

    これらの症状は結膜下出血が起こった直後から現れ、1~2週間で自然に治癒することが多いですが、再発することもあります。

    また、自覚症状がない場合が多いため、鏡を見て気づいたり人から指摘されて初めて気づいたりするケースもあるでしょう。

    充血との違い

    目の充血は目がかすんだり、涙目になることがある一方、結膜下出血は痛みや視力の低下を引き起こしません。

    また、充血は細い血管が拡張し赤くなるため、結膜の表面に血管が浮き出ているように見えますが、結膜下出血は血管にそって塗ったように赤く染まったりするため、血管の走行を確認することはできません。

    結膜下出血の原因

    結膜下出血が起こる直接的な原因は、結膜下にある血管が破れて出血することですが、血管が破れる原因はさまざまです。

    ここでは、結膜下出血が起こる根本的な原因をいくつか紹介します。

    外傷によるもの

    金属片や木片が目に刺さるなどの外傷が結膜下出血を引き起こすことがあります。

    また、ボールなどが目に当たる、ゴーグルをきつく締めすぎる、目を強くこするなど、目に直接力が加わった場合にも結膜下出血が起こることがあります

    結膜弛緩症

    結膜弛緩症は目の病気の一つで、その名の通り結膜が弛緩(ゆるんだり、たるんだりすること)した状態です。

    本来結膜には適度なゆるみがあり眼球運動に耐える構造となっていますが、このゆるみが通常よりも強い状態を結膜弛緩症といいます。

    ゆるんだ結膜は下まぶたに沿って存在し、たるみが強いときは黒目(角膜)へ乗り上がってしまうこともあります。これは、加齢やコンタクトレンズの使用が主な原因となります。

    弛緩した結膜は視線を動かす際などに動くため、結膜の毛細血管が引っ張られてしまい、血管が傷つくことで結膜下出血の原因となります。

    コンタクトレンズによるもの

    コンタクトレンズの装着や取り外しの際に結膜をつまむような形になるなど、目に強い力がかかり結膜下の血管を傷つけてしまった場合や、コンタクトレンズのカーブが目に合わない場合にも起こることがあります。 

    コンタクトレンズを装着している場合は正しい使用法を守り、適切にケアすることが重要です。

    その他の疾患

    糖尿病などの代謝性疾患や、高血圧などの循環器系などの疾患は血管が破裂しやくなるため、結膜下出血を引き起こす原因になります。

    また、血液の凝固機能に異常がある場合も結膜下出血を起こすことがあります。血小板の減少によって凝固機能が低下する「血小板減少性紫斑病」や、凝固因子の異常によって凝固機能が低下する「出血性疾患」がある場合も、結膜下出血を引き起こすことがあります。

    ほかにも、麻疹やインフルエンザなどが関係していることもあります。

    原因がわからないときもある

    結膜下の血管は細いため、いきんだり、強いせきやくしゃみをしたり、過度な飲酒をしたりなどささいなことで起こることもありますが、原因がはっきりしないことも多くあります。

    また、人から指摘されたり、ふと鏡を見たときに気づいたりすることも多いです。外来に行くと「鼻血」や「青あざ」のようなものと説明されることもあります。

    原因が不明だったとしても頻繁に起こるような場合は、別の病気の恐れもあるため眼科を受診しましょう。

    なぜ頻繁に繰り返す?

    結膜下出血は目がごろごろするものの痛みなどはなく、眼の赤さは血液が吸収されると自然に消えていくため、通常はあまり治療を必要とするものではありません。

    しかし、結膜下出血は頻繁に繰り返す場合があり、場合によっては病院の受診も検討する必要があるため注意してください。

    ここでは、結膜下出血が繰り返しやすい原因について解説していきます。

    再出血の可能性があるため

    結膜下出血は血管が破れて起こるため、結膜の下にある血管の壁が脆弱になっていると考えられます。

    結膜下出血が治癒した後も再度同じ部位に血液が溜まるため、一度出血を起こすと再出血を起こすことも多いです。

    結膜弛緩症

    出血はおおよそ1~2週間で収まるといえど、出血の原因が結膜弛緩症である場合は、根本となる病気を治さない限りは再発する可能性があるでしょう。

    点眼治療など行うことで、症状の繰り返しを抑えられることもありますが、繰り返す場合は早めに眼科を受診することをおすすめします。

    その他の疾患

    前述したように、基礎疾患が原因で結膜下出血が繰り返し起こることがあります。

    糖尿病や高血圧などの疾患が血管の健康状態に影響を与えることで結膜下出血が起こりやすくなっている場合は、生活習慣の改善や薬をはじめとした基礎疾患の治療が有効です。

    病院への受診がおすすめ

    眼の赤さは血液が吸収されると自然に消えていくので問題ありませんが、繰り返し起こる場合や原因がわからない場合は、眼科を受診しましょう。

    病院での診察や検査を行い、原因を特定し、適切な治療を受けることで再発を予防できます。自己判断で対処せずに医師の指示に従うことが重要です。

    まとめ

    結膜下出血の原因は外傷や結膜弛緩症、コンタクトレンズの使用などですが、多くの場合は自然に治癒します。

    ただし結膜下出血を頻繁に繰り返す場合は、再出血や結膜弛緩症、基礎疾患の可能性があるため、病院で診察や治療を受けることが重要です。

    この記事を参考に結膜下出血の症状や原因を知り、適切に対処しましょう。

    【監修者情報】

    ⽒名:
    添田 尚一
    所属:
    てのひら眼科 院長
    専⾨:
    緑内障、一般眼科

    USMLE(米国医師国家資格)取得。日本眼科学会認定眼科専門医。
    虎の門病院、井上眼科病院、聖路加国際病院眼科にて勤務。
    2023年7月、てのひら眼科を開設し、院長として診療を行う。
    日本眼科学会、日本眼科医会、東京都眼科医会、日本緑内障学会、日本眼科手術学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本網膜硝子体学会に所属。

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