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花粉症の症状は人それぞれ

【医師監修】花粉症の症状は人それぞれ|自分に合った対処法を調べよう

アレルギー疾患である「花粉症」の症状は目や鼻だけではなく、全身に及ぶことがあります。6つの代表的な症状と、それぞれの症状に効果的な治療方法や予防方法を解説しています。正しい対策を知り、快適に生活を送れるよう工夫を行っていきましょう。

近年、地球環境や花粉の飛散量の変化に伴って花粉症を罹患している人は増加の一途をたどっています。花粉症のつらい症状は生活のクオリティ低下や仕事や勉学の生産性を長期的に低下させてしまいます。

花粉症にはどのような症状があるのか、症状ごとの治療と予防について見てみましょう。

目次

    花粉症の原因はいくつも種類がある?

    花粉症は、樹木や花が飛散させる花粉を体内に取り込むことによってアレルギーを引き起こす疾患で、その原因である抗原の種類や花粉症の症状はいくつもの種類があります。

    日本の花粉症患者の約7割がスギ花粉を抗原(アレルギーの原因物質)とする花粉症といわれていますが、花粉症の抗原はスギだけではなく、ヒノキやイネ・ハンノキなど様々です。地域によって生息している植物・気候が異なるため、飛散する花粉の種類や時期によって傾向が異なります。

    また、個人差や軽度~重度にかけて程度の差はありますが、全身にわたり様々な種類の症状があります。

    ▼花粉症の原因と種類を詳しく見る

    症状別の花粉症6つ

    花粉症で代表的な症状は「目」と「鼻」の不快な症状です。症状の出かたは個人差があり、効果が出る薬も異なります。

    ご自身に当てはまる症状から必要な治療や予防策を取ることで、効果的に不快な症状を改善することができるため、6つの症状とその治療方法・予防方法についてご紹介します。

    くしゃみ

    花粉症のくしゃみは、鼻から吸い込んだ花粉を体外に出そうとする反応で、鼻がむず痒くなり抑えられないほど何度も連続してくしゃみが出るのが特徴です。

    1日のくしゃみの回数によって花粉症の症状の重さが分かります。

    1日のくしゃみの回数 重症度
    1~5回 軽症
    6~10回 中等症
    11回~20回 重症
    21回以上 最重症

    対症療法

    飲み薬や点鼻薬の投薬が一般的です。

    ・抗ヒスタミン薬(第1世代、第2世代)

    ・ケミカルメディエーター遊離抑制薬

    などの薬が処方されます。

    予防方法

    外出の際には花粉の飛散情報を把握し、外から帰ってきた際には手洗い・口腔や鼻のうがい・洗顔のほかに、上着を玄関ではたくことも効果があります。

    特に鼻うがいは、鼻の中に付着した花粉を洗い流すことができ、花粉症の鼻症状全般に効果があるためおすすめです。


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    鼻水が多く出る

    水様性鼻汁(水性鼻漏)といわれるこの症状は、抗原となる花粉を体内に取り込むことで鼻汁の分泌が亢進し、とめどなく出てきてしまいます。

    通常鼻汁は、吸気を加湿・ろ過して体内に取り込むための大切な役割を果たしていますが、抗原に触れることでアレルギー反応を引き起こしてしまいます。

    鼻をかむ回数によって花粉症の症状の重さが分かります。

    1日に鼻をかむ回数 重症度
    1~5回 軽症
    6~10回 中等症
    11回~20回 重症
    21回以上 最重症

    対症療法

    くしゃみ症状と同様に、飲み薬や点鼻薬の投薬が一般的です。

    ・抗ヒスタミン薬(第1世代、第2世代)

    ・ケミカルメディエーター遊離抑制薬

    などの薬が処方されます。

    ほかにも鼻のかみすぎでかゆみや炎症などの皮膚トラブルが起きてしまうこともあるため、鼻の周りにバームなどを塗って皮膚を保護することもあります。

    予防方法

    鼻の中に花粉が入らないよう、外出する際には花粉症用マスクの着用を徹底しましょう。帽子やマスク・眼鏡を装着することで体内に取り込む花粉の量は減少します。マスクや眼鏡は花粉症用のものを使用するとその効果がより高まります。

    また、室内では換気を工夫しつつなるべく窓を閉めておくと良いでしょう。花粉の飛散が多い時期はウールなど毛織物の素材は花粉が付着しやすいためできるだけ避け、ポリエステルなどの化学繊維でできた衣類を着用すると、花粉を自宅に持ち込みづらくなります。

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    鼻がつまる

    鼻閉は、アレルギー反応によって血流が悪化したり鼻粘膜が腫張したりすることなどによって起こります。

    完全に両方の鼻がつまってしまい、口呼吸をせざるを得なくなるような状態になることもあります。鼻のつまり具合によって花粉症の症状の重さが分かります。

    1日の鼻のつまり具合 重症度
    口呼吸は全くないが鼻閉がある 軽度
    鼻閉が強く、口呼吸が1日のうちときどきある 中等度
    鼻閉が非常強く、口呼吸が1日のうちにかなりある 重度
    1日中完全につまっている 最重度

    対症療法

    鼻閉の点鼻薬や内服薬は、一般的にくしゃみ・鼻水の成分と異なります。

    ・抗ロイコトリエン(LTs)薬

    ・鼻噴霧用ステロイド薬

    などが処方されます。

    症状が重い時には、レーザーなどによる手術療法を取ることもあります。

    予防方法

    先述の予防方法に加え、蒸しタオルや入浴を使った温熱療法のセルフケアもあります。

    鼻の周りを蒸しタオルで温めたり、ゆっくり湯船につかって体を温めたりすることで血流をよくし、鼻の中の花粉などを輩出する線毛を活発化させて鼻の通りを改善する方法です。

    目がかゆくなる

    花粉症の目の症状で代表的なものは激しい目のかゆみ、そのほかにも充血・涙が出るなどがあります。

    花粉が結膜に付着するのが要因で、涙液で抗原が溶け出してアレルギー反応が起こることで様々な症状が出てしまいます。

    対症療法

    点眼薬や内服薬が一般的です。

    点眼薬は、ケミカルメディエーター遊離抑制薬、抗ヒスタミン薬が主体です。症状が重い場合はステロイドが配合されたものを投薬することもありますが、眼圧の上昇が懸念されるため、使用頻度に注意し、定期的に眼科で眼圧のチェックをする必要があります。

    予防方法

    花粉が結膜に付着しないよう、眼鏡や帽子を着用しましょう。また、コンタクトレンズの装用は目のアレルギー症状を悪化させる可能性があるため、花粉症のシーズンはできるだけコンタクトレンズを装用しない方が安心です。

    外から帰宅した際には目の洗浄をすると良いでしょう。目に入ってしまった花粉だけではなく、目の周辺に付いた花粉も洗い流すことができます。


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    皮膚がかゆくなる

    花粉症の症状の中で、あまり知られていないのが皮膚の炎症です。花粉に触れる場所に炎症が起きるのが特徴で、目や鼻の症状がなくても皮膚のアレルギー反応が起こる人もいます。

    花粉の飛散量が多くなる時期に皮膚がかゆくなったり、湿疹・赤くなったりするなどの症状が見られる場合はアレルギー検査を受けてみましょう。

    対症療法

    皮膚のアレルギー症状には、内服薬や塗り薬が一般的です。

    ステロイドを塗ることで1週間以内に治まることが多く、それ以上の期間症状が引かない場合は別の疾患の可能性もあるため、再度専門医に診察してもらいましょう。

    予防方法

    花粉が直接肌に触らないように服装に気を遣うほか、花粉飛散が多い季節は、衣類をできるだけ室内干しにすることをおすすめします。

    皮膚の保護機能を高めるために保湿を徹底し、睡眠や食事など規則正しく、ストレスをためないように生活することも大切です。

    喉がイガイガする

    花粉が飛散する季節ののどの痛み・イガイガなどの違和感はアレルギー性咽頭炎の可能性があります。

    抗原となる花粉が、口や鼻を経由して喉の粘膜に張り付くことが原因で咽頭に炎症が起き、痛みを感じたりかゆさを感じたりすることがあります。

    対症療法

    内服薬で症状が改善します。

    抗ヒスタミン薬(第1世代、第2世代)・ステロイド薬を処方されることが一般的です。

    予防方法

    口腔および鼻のうがい・手洗い・洗顔を頻繁に行いましょう。口や鼻を洗浄することで症状は緩和しますが、花粉が逆流してしまわないよう正しい方法を確認して行うことが大切です。

    また、たばこは喉の粘液を傷つけるため、できるだけ避けましょう。

    まとめ

    花粉症には様々な症状があります。正しい予防と治療を並行して行っていくことが大切です。

    花粉症の抗原となる花粉は、種類によって飛散時期や期間が異なるため、ご自身の花粉症の原因が分からない方はまず検査を受けましょう。検査は病院だけでなく、自宅で簡単に受けることもできます。

    つらい花粉症を克服し、クオリティオブライフを向上していきましょう。

    自宅で花粉症検査を受けたい方はチェック!※URLを入れてください※

    【監修者情報】

    ⽒名:
    猪俣 武範
    所属:
    順天堂大学 医学部 眼科学講座 准教授
    専⾨:
    ドライアイ、アレルギー性結膜炎、花粉症、角膜移植免疫、モバイルヘルス、IoMT、AI

    1981年5月、千葉県船橋市生まれ、茨城県取手市育ち。2006年順天堂大学医学部医学科卒業。2008年東京大学医学部附属病院初期臨床研修医終了。2012年順天堂大学大学院眼科学にて医学博士号ならびに日本眼科学会認定眼科専門医取得。2012年からハーバード大学医学部スケペンス眼研究所へ留学。留学中にはボストン大学経営学部Questrom School of BusinessでMBA取得。2019年11月より順天堂大学医学部附属病院眼科准教授として、臨床、研究、教育、経営に携わる。

    <出版歴>
    ハーバード×MBA×医師 目標を次々に達成する人の最強の勉強法【著】猪俣武範
    ハーバード×MBA×医師 働く人のための最強の休息法【著】猪俣武範
    ハーバード大学眼科イラストレイテッドマニュアル【共著】猪俣武範、中尾武史
    医者と弁護士が知っている 日本の病院 7つのなぜ【共著】猪俣武範、松尾剛行

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