2025.04.01
Tuesday
【医師監修】アレルギー性結膜炎とは? ~症状から予防まで徹底ガイド
「目がかゆい」「充血してつらい」「涙が止まらない」——そんな目の不調を感じていませんか?それは、アレルギー性結膜炎のサインかもしれません。
春先の花粉、年中存在するハウスダストやダニ、あるいはペットの毛など、私たちの身の回りにはアレルギーを引き起こす物質(アレルゲン)が数多く存在します。アレルギー性結膜炎は、こうした物質によって結膜(白目やまぶたの裏側)が炎症を起こす病気です。
「放っておけば治るだろう」と軽く見ていると、症状が悪化して日常生活に支障をきたすことも。
この記事では、アレルギー性結膜炎の原因や症状、治療法、そして予防策までを眼科専門医の立場からわかりやすく解説します。つらい目の悩みから解放され、快適な毎日を過ごすために、ぜひ最後までご覧ください。
目次
アレルギー性結膜炎とは?
1. 結膜とはどこ?
「結膜」とは、白目の表面(球結膜)とまぶたの内側(瞼結膜)を覆っている薄い膜のことです。外界と直接触れるこの部位は、アレルゲンの影響を受けやすく、炎症を起こしやすい場所でもあります。
2. アレルギー性結膜炎の仕組み
アレルギー性結膜炎は、体の免疫反応が過剰に働くことで引き起こされます。アレルゲンが目に入ると、免疫細胞が「異物」と判断し、ヒスタミンなどの化学物質を放出。これにより、かゆみ・充血・涙目といった症状が現れるのです。
3. アレルゲンとは何か?
アレルゲンとは、アレルギー反応の原因となる物質のことです。主に以下のようなものが知られています。
・花粉(スギ・ヒノキ・イネ科など)
・ハウスダスト(ダニの死骸やフンなど)
・ペットの毛やフケ
・カビ(真菌)
アレルギー性結膜炎の主な症状
・目のかゆみ・充血・涙目
もっとも多く見られるのが目のかゆみです。無意識にこすってしまい、さらに炎症が悪化するケースもあります。目が赤く充血したり、涙が止まらなかったりすることもよくあります。
・まぶたの腫れ・異物感
まぶたが腫れたり、目にゴロゴロとした異物感を覚えることもあります。重症になると、まぶたの裏側に「乳頭」と呼ばれるブツブツができることもあります。
症状が出やすい季節とその特徴
春(スギ・ヒノキ花粉):2月~4月がピーク。花粉症の患者数が最も多い時期です。
夏〜秋(イネ科・ブタクサ):5月〜9月にはイネやブタクサなどによる症状が出現します。
通年性:ハウスダストやペットアレルギーは季節を問わず発症します。
原因となる主なアレルゲン
・季節性(花粉症)
スギやヒノキなどの花粉が原因で起こるアレルギー性結膜炎は、季節性アレルギー性結膜炎と呼ばれます。花粉飛散の時期になると目の症状が悪化しやすく、花粉症(アレルギー性鼻炎)を併発している人も多く見られます。
・通年性(ハウスダスト・ダニ・ペットの毛など)
季節を問わず発症するものは通年性アレルギー性結膜炎と呼ばれ、特に室内環境が悪い場合や、掃除が不十分な生活環境で悪化します。ペットを飼っている方も注意が必要です。
また、美容室や建築現場、動物病院など、特定のアレルゲンが多い職場環境では、職業性アレルギーとして発症することもあります。
日常生活でできる3つの予防策
1. アレルゲンを避けるための工夫を行う
・外出時はメガネやマスクを着用する。
・花粉の多い日は窓を閉める。
・帰宅後は洗顔・うがい・着替えを徹底する。
2. 目をこすらないようにする
目をこすると、炎症が悪化し、結膜や角膜を傷つける原因になります。強いかゆみがある場合は、冷やしたタオルで目元を優しく冷やすのが効果的です。また、長期的に目をこすっていると白内障や網膜剥離などの病気につながることもあるので注意が必要です。
3. コンタクトレンズ使用時の対策
症状が出ているときはメガネに切り替えることをオススメします。
また、アレルゲンがレンズに付着するのでレンズケアが不十分だと症状が悪化します。可能であればワンデータイプの使用が推奨されます。
治療法について
治療の基本は抗アレルギー点眼薬の使用です。抗アレルギー薬はヒスタミンの働きをブロックしたり、化学物質(ケミカルメディエーター)の放出を抑える作用によりかゆみや充血を抑えます。
抗アレルギー点眼薬でもかゆみがおさまらない場合にはステロイド点眼薬を使用します。ステロイド点眼は効果が強いものの、眼圧上昇や感染症などの副作用リスクもあるため、眼科医の指導のもとで使用する必要があります。
過去にもらった点眼薬が自宅に残っていても、開封後1カ月以上経過している場合には安全性や有効性が低下している可能性があるので使用しないようにご注意ください。未開封で適切に保管されていた場合には、容器に書いてある使用期限以内であれば使用可能です。
鼻炎などを合併している場合や症状が強い場合は、抗ヒスタミン薬などの内服薬を併用します。
眼科受診のススメ
「いつものことだから」と症状を軽視してしまうと、結膜に慢性的な変化が起きたり、角膜障害を引き起こすリスクもあります。重症化すると視力に影響が出ることもあるため、早期対応が重要です。
また、症状が軽いうちに薬を開始したほうが短期間で改善しやすいです。重症化するまで我慢してからだとより効果の強い点眼が必要となり、副作用リスクも上昇します。
アレルギーだと思っていたら違う病気だったという可能性もあります。目のかゆみや充血が通常よりもひどい、長引く、見えづらさが出現するような場合には、一度眼科でしっかり診断を受けることが大切です。症状に応じた適切な治療を受けることで、日常生活の質を大きく改善できます。
まとめ:アレルギー性結膜炎と上手につき合うために
アレルギー性結膜炎は、多くの人が経験する身近な目の病気です。
しかし、正しく理解して対策をとれば、つらい症状を軽減し、快適な生活を取り戻すことができます。
・気になる症状は早めに眼科で相談
・アレルゲンを回避する生活環境の工夫
・自己判断ではなく、専門的な治療を受けること
これらを意識することで、アレルギー性結膜炎とうまく付き合っていくことができます。
「目がかゆい」と感じたら、それは体からの大切なサインです。
見過ごさず、早めに対策を講じましょう。
【監修者情報】
⽒名: 山口 雄大
所属: サークル帝塚山眼科 院長
専⾨: 角膜感染症、神経眼科
日本眼科学会認定眼科専門医。
和歌山県立医科大学、済生会有田病院にて勤務。
2023年7月、サークル帝塚山眼科を開設し、院長として診療を行う。
眼科医のための情報サイト「眼科医ぐちょぽいのオンライン勉強会」を運営。
日本眼科学会、日本眼科医会、眼感染症学会、神経眼科学会に所属。