2023.03.30
Thursday
結膜下出血を早く治す方法
【医師監修】結膜下出血を早く治す方法|治療にかかるポイントも
「結膜下出血で目が赤くなってしまった!早く治したい!」こんな場合、早く治すにはどう対処するべきなのでしょうか。この記事では、結膜下出血の症状を早く治す治療法、眼科にかかるべきケースについても紹介します。結膜下出血に悩む人はぜひご一読ください。
目の白い部分が出血によって赤くなってしまう「結膜下出血」。
「赤みが目立ってしまうから早く治したい」
「心配だけれども病院にかかる必要はある?」
といったことを気にする人も多いのではないでしょうか。
結膜下出血の対処法や、眼科に行くべき場合などを確認して、適切に症状改善をできるようにしてください。
目次
結膜下出血の症状
結膜下出血とは、「結膜」の下にある血管が破れることによって、白目部分が血液で赤く染まる症状のことです。白目の表面部分を覆っている粘膜のことを「結膜」といいます。
程度は様々で、小さな点状や斑状など一部が赤くなるだけのものから、出血が眼球結膜全体を覆うようなものもあります。また、血腫を作ることもあります。
痛みやかゆみ、充血、視力の低下などの症状はほとんどありません。出血部分が大きい場合、周囲の組織の腫れが見られることがあります。
また、原因としては、眼球や頭部に外力が加わるなどの外傷やコンタクトレンズの影響、結膜弛緩症などの病気、糖尿病や高血圧などの代謝性・循環器系の基礎疾患や血液凝固系の疾患など様々です。
強いせきやくしゃみをしたり、過度な飲酒をしたりなど、ささいなことでも起こる可能性があり、原因すらわからない場合もあります。
結膜下出血の治療法
かなり赤みが強くでることもある結膜下出血。目立つためすぐに治したいという方も多いかと思います。ここでは結膜下出血の治療法と早く症状を抑える方法について紹介します。
基本的には治療の必要はない
結膜下出血は、基本的には治療の必要はありません。症状が軽い場合は、数日から数週間で自然に改善します。ただし、症状が重い場合や別の症状も併発している場合、目の外傷が原因である場合、症状を頻繁に繰り返す場合などは治療が必要になる場合もあります。
ゴロゴロする場合は目薬をさす
結膜下出血の症状の一つに、目の圧迫感やゴロゴロ感があります。このような症状がある場合は、人工涙液、ドライアイ治療薬などの目薬を使用することがおすすめです。目薬を使用することで、圧迫感やゴロゴロ感が軽減され、快適な状態を保つことができます。
基本的に、普段使いの目薬も使用を続けていただいて大丈夫ですが、目薬が普段よりしみる可能性もあります。不安な場合は眼科や主治医に相談するがいいでしょう。
症状を早く治す方法
基本的に治療の必要がない結膜下出血ですが、赤みを早く引かせたい場合もあるでしょう。症状を早く治す方法としては、以下のようなものがあります。
蒸しタオルで温める
症状が出てから数日したら、蒸しタオルを使って目を温めることが有効です。
目を温めることで、血行が促進され、出血部分の吸収が早くなります。蒸しタオルを使用する際は、温度に注意して、過度な温度にならないように調節し、目にかける時間も長すぎないようにしましょう。適切な温度と時間は、個人差があるため、無理なく行うようにしましょう。
消炎剤や止血剤の内服
早く症状を改善するために、眼科で受診をした上で、消炎剤や止血剤を処方されることもあります。これらの内服で炎症を抑えたり、出血を止めたりすることができます。ただし、内服薬には副作用もあるため、医師に相談してから使用するようにしましょう。
治療に行くべき場合
症状が数日から数週間で引くとはいえ、「本当に医者に診てもらわないで大丈夫?」と心配になる方もいるでしょう。どのような症状であれば眼科や医院を受診するべきなのか、具体的な場合別に分けて紹介します。
眼外傷を受けた場合
眼球に外力が加わった場合、眼の表面だけでなく、角膜や結膜、硝子体、網膜などの部位に損傷を負うことがあります。外傷の程度によっては、出血だけでなく、瞳孔の異常、視力の低下、充血、痛み、かすみなどの症状が現れることがあります。結膜下出血以外にも目の異常が見られることがあるため、早めに医師の診察を受けることが大切です。
痛みやかゆみ、目やにを伴う場合
結膜下出血が痛みやかゆみ、目やに、充血などの症状を伴っている場合は、医師の診察を受けることが必要です。これらの症状は、角膜炎や結膜炎、ドライアイなど、結膜下出血以外の眼の疾患を示唆する場合があるため、診断が必要です。
症状の原因が急性出血性結膜炎や流行性角結膜炎(流行り目)だった場合、ウイルスに感染することによって起こるものであり、発熱などの他の症状にもつながる可能性や他の人に移す可能性もあります。眼科を受診し適切な検査を受け、治療することが必要です。
頻繁に繰り返す場合
結膜下出血が頻繁に繰り返す場合は、原因を調べる必要があります。
結膜弛緩症などの病気の場合、根本的な症状が改善されない限り、出血を繰り返すことがあります。
また、原因が目に限らない基礎疾患や異常な状態である場合もあります。
例えば、高血圧や糖尿病、動脈硬化、貧血、血液疾患、血管腫などです。これらの病気はストレスや睡眠不足など、ライフスタイルの問題が原因である場合もあり、生活習慣の改善など異なる対処法を取る必要があります。
生活上の注意点
結膜下出血の場合、生活上では以下のようなことに注意するとよいでしょう。
・目に負担をかけない
・激しい運動を控える
・生活習慣を整える
まず、結膜下出血の時には目に無理な負担をかけないようにしましょう。目をこすってしまうと、出血が広がるなど、症状が悪化する可能性があります。かゆみが強い場合には目をこすることは避け、目薬を使用しましょう。コンタクトレンズも使用可能ではありますが、脱着時に結膜に負担をかけることもあり、無理に使用しないのがよいでしょう。
また、激しい運動や重いものを持ち上げるなど、腹圧がかかるような動作は、出血の原因となることがあります。結膜下出血が治まるまで、激しい運動や重いものを持ち上げるなどの負荷を控えましょう。
結膜下出血の原因が他の疾患やアルコールの過剰摂取などの可能性もあります。過度な飲酒は控える、規則正しい生活をするなどの生活習慣全般の改善を図ることがよいでしょう。
【監修者情報】
- ⽒名:
- 添田 尚一
- 所属:
- てのひら眼科 院長
- 専⾨:
- 緑内障、一般眼科
USMLE(米国医師国家資格)取得。日本眼科学会認定眼科専門医。
虎の門病院、井上眼科病院、聖路加国際病院眼科にて勤務。
2023年7月、てのひら眼科を開設し、院長として診療を行う。
日本眼科学会、日本眼科医会、東京都眼科医会、日本緑内障学会、日本眼科手術学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本網膜硝子体学会に所属。