2024.06.28
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DeNA子会社アルム、生成AIを活用した医療・ヘルスケアプロジェクトを始動
内閣府主導のSIP第3期補正予算に採択、医療データ提供と診療支援を通じて業務効率化と診断精度向上を目指す
株式会社ディー・エヌ・エー（DeNA）の子会社である株式会社アルムは、2024年6月21日に医療およびヘルスケア分野における生成AIエコシステムプロジェクトを開始すると発表しました。このプロジェクトは、内閣府が主導し国立国際医療研究センターが管理法人を務める戦略的イノベーション創造プログラム（SIP）第3期補正予算「統合型ヘルスケアシステムの構築における生成AIの活用」テーマ3（以下、SIP）に対して、アルム社を代表機関とした共同提案が採択されたものです。
生成AIの医療および介護現場での活用により、業務の効率化、診断精度の向上、医師の働き方改革、医療過誤の防止、地域格差の是正といった多くのメリットが期待されています。しかし、未学習の症例の見落としや診断精度が低い場合の誤診といったデメリットにも注意が必要です。これに対応するため、以下の3つの取り組みが行われます。
■ 質の高い医療データの生成AIへの提供:
国立がん研究センターなどは、アルム社が提供する医療関係者間コミュニケーションアプリ「Join（ジョイン）」を用いて、地方医療機関を問診・医療画像・検査データ・遺伝子データに基づく遠隔診療で支援してきました。SIPでは、日本全国の医療機関からの希少疾患や難病を含む実臨床の医療データを患者から個別に電子同意を得て蓄積し、生成AIに最新の最高品質の医療データを提供します。
■ 生成AIの出力に対するモニタリング・是正データの提供:
東京慈恵会医科大学や各高度専門医療研究センターの専門医が各研究テーマと連携し、「Join」にチャット形式で実装される生成AIの有用性を検証します。研究支援や協業、オープン化、規格整備などに取り組み、行政、患者団体、学会などとの連携も視野に入れます。さらに、生成AIの出力に対するモニタリングおよび是正内容を生成AI研究機関、生成AIベンチャー、グローバルIT企業に提供する予定です。
■ 生成AIによる診療支援や保健行政支援を通じて、医療・介護現場に安心・安全・簡便な利用環境の提供:
アルム社は「Join」の他に、PHR（Personal Health Record）アプリ「MySOS（マイエスオーエス）」や多職種連携システム「Team（チーム）」を医療現場や患者に提供しています。SIPでは、これらの既存アプリに他のSIPプロジェクトで開発される生成AIを導入し、専門医の文書作成支援ソリューションの開発を行います。これにより、各種届出書類、指定難病や身体障害者手帳の取得に必要な意見書の作成など、作業負担の軽減を目指します。
このプロジェクトにより、生成AIを活用した医療および介護現場に安心・安全・簡便な利用環境が提供されることが期待されています。
参考元：https://dena.com/jp/news/5116/
